腫れぼったいまぶた sunken eyelids
腫れぼったいまぶたの原因と手術
腫れぼったいまぶたの分類
<眼窩脂肪タイプ>
眼窩脂肪が腫れの主体
→眼窩脂肪の切除
<ルーフタイプ>
中隔前脂肪・ルーフ(ROOF)が腫れの主体
→ルーフ切除
<涙腺タイプ>
涙腺の肥大・脱出が腫れの主体
→涙腺固定
<眉毛下垂タイプ>
眉毛近くの厚い皮膚がまぶたにかぶさっているために腫れて見える状態
→眉下切開、眉毛固定、前額リフト
ルーフ(ROOF)・眼窩脂肪の複合タイプもあります。
他に、瘢痕、眼輪筋、バセドウなども、腫れぼったいまぶたの原因となります。
▼脱脂とは?
まぶたが腫れぼったいと、一般的に「眼窩脂肪の切除」=脱脂 が行われます。
通常の脱脂で改善できるのは、腫れぼったいまぶたの半数のみです。
ルーフや涙腺、ひたいのタルミなども腫れぼったさの原因になります。
腫れぼったさの犯人に対する治療を行わないと、自然なまぶたになりません。
自然なまぶたへ~腫れまぶたの原因に対する治療が必要
まぶたが腫れぼったいと、一般的に「眼窩脂肪」の切除が行われます。
眼窩脂肪切除でまぶたの腫れぼったさの半数は解決できるのですが、万能ではありません。
まぶたのルーフや涙腺、ひたいのタルミなども腫れぼったさの原因になります。
腫れぼったさの犯人を突き止めてきっちりとした治療を行わないと、自然なまぶたになりません。
▼対象となる患者さん
✔生まれつきまぶたが腫れぼったい
✔加齢によりまぶたが腫れぼったくなった
✔まぶたの皮膚を切り取ったら腫れぼったくなって困っている(眼瞼下垂症手術 or 二重まぶた手術)
✔二重まぶた手術や眼瞼下垂症手術を受ける予定だが、自然なまぶたに仕上げたい
※腫れぼったいまぶたは、そのままでは格好の良い二重になりません。腫れぼったさの原因の組織を除けば自然なまぶたに仕上がります。まぶたのピンチテストやMRIなどでぶたの厚みを計算して、どの組織をどれだけ残すのかを決める手術計画が重要です。
1.眼窩脂肪タイプ
眼窩脂肪は2つ -必要なだけ脂肪切除
1.眼窩内側脂肪織
2.眼窩中央脂肪織
眼窩脂肪切除は、随分昔からあるまぶたの腫れぼったさを減らす方法です。
ただし、眼窩脂肪のどの部分をどれだけ切除すべきなのかが議論の対象になる様になったのは比較的最近だと思います。
中央脂肪識は、顔の骨が痩せたり腱膜がゆるんで加齢に伴い凹む傾向があります
逆に内側脂肪識は、加齢に伴い膨らむことが多いのです
「眼窩脂肪タイプ」
✔1.「生まれつきに眼窩脂肪が多い」患者さん....
✔2.「加齢による眼窩脂肪の垂れ下がり」が気になる患者さん....
▼特徴
✔小さな切開から切除可能
→脂肪の固まりを適量(アズキまたは大豆の大きさ適度)取り除くのみ
✔低侵襲
→内出血や腫れが少ない
参考症例
▽まぶたのたるみ&腫れぼったいまぶた
●全切開法二重まぶた手術 眼窩脂肪切除(内側脂肪織 中央脂肪織) 腱膜固定術
腫れぼったいまぶたが、薄く自然な二重まぶたになった。まぶたは開けやすくなった。
2.ルーフ(ROOF)タイプ
厚いまぶたを薄いまぶたにするために開発
出典元 一瀬晃洋 専門医のための眼科診療クオリファイ「眼形成手術」
①部分中隔前脂肪切除術
対象: やや厚めのまぶた
②全中隔前脂肪切除術
対象:厚いまぶた
③拡大中隔前脂肪切除
対象:非常に厚いまぶた
(2008年米国論文報告)
出典元:Akihiro Ichinose.
Extended preseptal fat resection in Asian blepharoplasty 2008 (Ann
Plast Surg)
「腫れぼったいまぶたを薄い自然な二重まぶたにする良い方法」は、2000年頃はありませんでした。
まぶたの厚みをコントロールする術式を作るため、腫れぼったいまぶたの解剖学研究を行い、中隔前脂肪・ルーフの厚みが腫れぼったさの犯人であることを解明しました。
中隔前脂肪・ルーフ切除を正確に行うことにより、非常に厚いまぶたを薄く自然なまぶたに変えることが出来ることも明らかになりました。改良を重ねて最終的に3種類の術式として発表しました。
ルーフ切除は技術的に難しいこともあり普及には時間がかかりましたが、国内外で学会・論文報告を続けた結果、現在アジア人の眼瞼形成術において重要な手技になってきています。
現在巷で一般的に行われているルーフ切除は、3種類の術式のうち、①部分中隔前脂肪切除術です。
●MRI:ルーフが腫れの主体であることがわかる
→ルーフ切除でキレイな二重まぶたに
▼ルーフ切除の特徴
✔ほとんどの症例に適合
→非常に腫れぼったいまぶたも薄くできる。眼窩脂肪切除では効果が少ない症例に対しても使用可能。
✔技術的には難しい
→ルーフを広い範囲で正確に削り取る技術が必要(一カ所のみ切除すると凹む)
参考症例
▽まぶたのタルミ + 腫れぼったいまぶた
●拡大中隔前脂肪切除(ROOF ルーフ切除) 腱膜固定術
腫れぼったいまぶたが、薄く自然な二重まぶたになった。
まぶたは開けやすくなった。
▽まぶたのタルミ + 腫れぼったいまぶた
●全切開法二重まぶた手術 拡大中隔前脂肪切除(ROOF ルーフ切除) 腱膜固定術
非常に腫れぼったいまぶたが、薄くて自然な二重まぶたになった。
まぶたは開きやすくなった。
▽腫れぼったいまぶた
(眼瞼下垂症の術後に腫れぼったくなり修正希望)
●拡大中隔前脂肪切除(ルーフ切除)
腫れぼったい二重まぶたが、薄く自然な二重まぶたに変化。
★注意★
眼瞼下垂や二重まぶた手術で、皮膚を切り取るとまぶたは腫れぼったくなりがちです。トラブルが増えています。
3.涙腺タイプ
涙腺は加齢によりとびだしてくることがあり、まぶたの外側が腫れぼったくなる。
治療→涙腺固定
(眉下切開、二重まぶた手術、眼瞼下垂症手術の切開より可能)
参考症例
▽腫れぼったいまぶた&タルミ
●眉下切開 + 涙腺固定 + 内側前額リフト
まぶたの腫れぼったさの原因の50%が涙腺であった症例
涙腺固定によりすっきりとした自然なまぶたになった。
4.眉毛下垂タイプ
眉毛が下がると、厚い皮膚が眉毛にかぶさるため、まぶたはとても腫れぼったくなる。
軽度:眉下切開、眉毛固定、
中~高度:眉下切開+内側前額リフト(ひたいのリフト)
▼本来の顔つきを取り戻す
眉毛が下がると”顔が怖い”顔つきになります。
内側前額リフトにより、優しく自然な本来の顔つきに戻ります。
まぶたのタルミの手術を行うときは表情が変化するため、本来の顔つきに戻す様に計算をして、手術をうまく組み合わせることをお勧めします。
▽まぶたのタルミ&腫れぼったいまぶた
(うまれつき眉毛が下がり気味の症例)
●眉下切開 + 眉毛固定 + 内側前額リフト(ひたいのリフト)
眉毛下垂が原因のまぶたの腫れぼったさ&タルミ
タルミに隠されていた自分の本来のまぶたが出てきて、すっきりとした二重まぶたになった。
Q&A 腫れぼったいまぶた
美容外科- contens目次Aesthetic Surgery
上まぶた Upper eyelid
― 二重 ―
― 目頭・目尻・まぶたの形 ―
― まぶたのタルミ ―
― 表情の改善 ―
下まぶたlower eyelid
― たるみ・眼袋・くま ―
まぶたの周囲periorbit
― ひたいのシワ・タルミ ―
― 眼のまわりのシワ・タルミ ―